薬物の県内摘発、大幅増 1~9月、大麻や覚醒剤で33人

2020/10/26 10:04

 県警が今年1~9月に大麻や覚醒剤の薬物事件で摘発した人数が33人に上り、前年同期の10人から大幅に増えている。大麻、覚醒剤ともに3倍以上で、総数は2016~19年の各年間摘発者数を既に上回った。背景にはインターネットや、会員制交流サイト(SNS)普及による薬物への手の出しやすさがあると見られ、県警は摘発と啓発をさらに強化する方針だ。

 過去5年に薬物事件で摘発された人数を見ると、15年が最多の43人で、16~19年は26~32人で推移。今年は9月末までに摘発された33人の内訳が大麻13人(前年同期4人)、覚醒剤17人(同5人)、危険ドラッグなどその他が3人(同1人)だった。

 大麻は若者のヒップホップ系音楽仲間が一斉摘発されたこともあり、13人には未成年者5人が含まれ、平均年齢は26.5歳。全員が初犯でゲートウエードラッグ(入門薬物)と呼ばれる特徴が表れている。一方、覚醒剤は17人のうち30代以上が12人。平均年齢は41.6歳と大麻に比べて高く、再犯率は58.8%に上った。

 県警組織犯罪対策課によると、米沢署などに逮捕された置賜地方の男はインターネット掲示板で覚醒剤の売人を探し、個別にSNSなどで連絡を取り合い、都市部から発送してもらっていた。

 ネット上には、隠語を使って大麻や覚醒剤の売買を持ちかけるメッセージが並ぶ。担当者は「ネットを使えば時間や場所も関係なく薬物を簡単に注文できてしまう」と警戒を強める。さらに「売人と会ったりすれば、金を強奪されるなど他の犯罪やトラブルに巻き込まれる危険性もある」と警鐘を鳴らす。

 薬物使用者は最初にシンナーや大麻に手を出し、後に薬理作用がより強い覚醒剤に移行する傾向がある。県警の調べに置賜地方の20代の男は「大麻をかっこいいものと勘違いしていた。大麻から始まり、覚醒剤や麻薬などほとんどの薬物を試した」と話したという。「ストレス発散法がほかに分からず、ついつい覚醒剤に頼ってしまう」(庄内地方、40代男)、「やめようと思っているが意志の弱さから使ってしまう」(神奈川県、50代女)といった供述からも、一度手を出すと抜け出せない薬物の怖さが分かる。

 人身安全少年課は「薬物乱用防止教室などを通じ、若い世代にその危険性や使用がもたらす問題、1回でも乱用になることを、しっかりと伝えていく」としている。

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