音声ガイドで映画楽しく アプリ活用、視覚障害者向けに体験会

2020/10/27 12:06
スマホにダウンロードした音声ガイドアプリを使い、視覚障害者が映画を楽しんだ=山形市・フォーラム山形

 視覚障害者らを対象にした映画体験会が26日、山形市のフォーラム山形などで開かれ、参加者がスマートフォンにダウンロードした音声ガイドアプリを使って新作映画を楽しんだ。

 映画体験会は県立点字図書館が毎年開催している情報交換会の一環で初めて開いた。使用したのは音声ガイドや字幕表示機能などがある無料アプリ「UDCast(ユーディーキャスト)」。対応作品は事前にダウンロードする。

 視覚障害がある12人と支援者が参加し、自前や貸し出しの端末を使用。初めてスマホに触れる人もおり、はじめに設定や音量調整の仕方などの説明を受けた。アプリを立ち上げておけば自動的にガイドが始まる仕組み。会場のスピーカーからは通常の劇中会話などが聞こえ、耳のイヤホンからは情景を説明するように「端正な顔立ちの青年が…」と役者の顔立ちや表情を解説。「昼間に…」「夜に…」と場面ごとの時間を伝え、「からし色のカーディガン」や「汚れたスニーカー」など服装のポイントを強調して役者のキャラクターをイメージさせていた。

 今回は23日に公開され、不慮の事故で視力を失った女性が主人公の「きみの瞳(め)が問いかけている」を鑑賞。監督らが音声ガイドにもこだわって作った作品という。音声対応の作品は主に邦画で、徐々に増えているという。

 初めて体験した高橋浩子さん(58)は「ガイドは細かい描写までよく分かり、より心情に共感できた」と話した。スマホに初めて触った井上光機さん(75)は「右目が見えず画面の半分しか分からないが、情景は音声で補うことができた。使い方も簡単で、社会参加の機会も増えるのではないか」と語った。早坂実さん(45)は「(映画館に)一人で来るのは勇気がいる。理解が広がれば、もっと気軽に来られると思う」とした。

 上映中のスマホ利用については、映画館側に利用を申し出れば周囲への説明も対応するという。森合広支配人は「映画館としても実績、ノウハウを積み重ね、ニーズが広がるよう周知に努めたい」と話した。

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