今と未来、格差なくす 第1回やましんSDGsセミナー、東北芸術工科大准教授・山縣弘忠氏が講演

2020/10/31 09:10
「SDGs」の取り組み、展望について理解を深めたセミナー=山形市・山形メディアタワー

 国連の持続可能な開発目標(SDGs)の推進に向けて県、山形大と共同宣言を行った山形新聞は30日、山形市の山形メディアタワーで第1回やましんSDGsセミナーを開き、同市の東北芸術工科大企画構想学科の山縣弘忠准教授が講演した。山縣氏は地域や企業の実践事例を紹介しながら、17の目標のうち、取り組みやすい項目から徐々に活動を広げる重要性を説いた。

■県内高まる関心

 講演を前に寒河江浩二山形新聞社長(山形新聞グループ経営会議議長)があいさつし、企業関係者らから「SDGsについて何から始めていいか分からない」などの問い合わせが寄せられ、これらの声に応えるためにセミナーを企画したことを紹介。聴講の申し込みが相次ぐなどの反応があり「県内でもSDGsに対する関心が予想以上に高まっていることを実感している」と述べた。

 「SDGsってなに?~これからの地域や企業に求められること・その背景とやるべきこと」と題し講演した山縣氏は、県、山大、山新の3者による共同宣言以降、講演依頼が増えていると述べ、SDGsに対する県民意識の変化について「共同宣言によって潮目が変わった」と語った。

講演する山縣弘忠東北芸術工科大企画構想学科准教授

 2000年に採択された「国連ミレニアム開発目標(MDGs)」との違いについては「MDGsは国家間の格差をなくすのに対し、SDGsは今と未来の格差をなくすという考え方だ」と語った。

■ビジネスチャンス

 企業や自治体が取り組まなければいけない背景として、社会全体で環境、社会問題への関心の高まりがあるとし「社会問題に対応した事業・サービスの拡充が求められており、変化しないと淘汰(とうた)される」と警鐘を鳴らした。一方で社会課題の巨大化はニーズの巨大化とし「大きなビジネスチャンスでもある」と述べた。

 先進事例として、鶴岡市のまちづくり会社・ヤマガタデザインが完全循環型農業で水田用除草ロボットを使用していることなどを挙げ「就農者が減る中、技術革新を活用して解決しようとしている点がSDGs的だ」と評価した。無農薬の野菜栽培などを行っている天童市の旅館「滝の湯」などの取り組みも紹介した。

 企業内での推進ポイントは「SDGsの視点を通して既存の事業、資源を俯瞰(ふかん)してほしい。必ずできる取り組みはある」と述べた。17の目標を「17のドア」と表現し、「全てのドアは中でつながっている。入りやすいドアから入ることが重要」とアドバイスした。

 セミナーは新型コロナウイルス感染防止対策として聴講者の座席間隔を確保、講師の演台にアクリル板を設置したほか、入場時の検温や手指消毒を徹底した。

 第2回セミナーは11月18日午後1時半から山形市の遊学館ホールで開く。

 ▼SDGs 「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称。国連加盟国が採択した目標で、「働きがいも経済成長も」など17項目を掲げている。

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